エッセイ『妻に捧げる3650話』

妻を読者としたエッセイを書いています

脚本、ゆかりちゃん 主演、ゆかりちゃん

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ゆかりちゃんと一緒に、散歩をした。

その散歩の途中で、「ケーキを食べよう!」ということになり、
僕たちの町で、1番良いホテルの中にあるカフェに寄った。

たまたま、散歩してたコースにそのホテルがあって、間もなくそのホテルに着く。
それが、お茶するキッカケになったのだ。


ショーケースのケーキを吟味してから、店内へ入った。
ホテルの中のカフェらしく、床は、赤と黒を基調とした厚めの絨毯だ。


ゆかりちゃんは、ケーキを絶賛した。
もともと、ゆかりちゃんは、このお店のケーキを高く評価していた。

でも、実は僕は、スイーツの良し悪しが良くは分からない。
みんな、それなりに美味しく感じるのだ。

僕は、コーヒーを絶賛した。
僕好みの、酸味の少ないコーヒーだった。

ゆかりちゃんは、珈琲には、可もなく不可もなくという感じだ。

ふたりとも、とても満足な休憩を味わっていた。


* * *

ゆかりちゃんが、

「わたしのline見た~?」

と、僕に言う。

僕は、「ん? 見てないよ」と、こたえた。

「ん~ん、もぉ~~、見てよぉ~」

「ああ、わかった」

lineを見ると、

『後ろ、お見合いだと思うよ』

と、あった。

僕は、ゆかりちゃんに顔を近づけて、小声で、
「そういわれても、振り返ったらおかしいし…」と言った。


すると、突然ゆかりちゃんが、

「凄い~! 窓がすごくキレイだと思わない~!?」

「表も裏も、あんなにキレイにするのって大変だと思うよ~!」

「外がクッキリ見える~!!」

と、やや大きめの声で言った。

おかげで、僕は、振り返りやすくなった。

振り返って見ると、確かに、お見合いらしい、若い男女がいる。

初々しい。・・・ん。

でも、どちらも、20代前半とかじゃないゾ…
いや、30代かもしれない…
育ちの良さそうな男性と、楽し気な女性…

それらも、ちゃんと確認できた。

いつまでも、ジロジロ見るわけにはいかないから、僕は姿勢を戻した。

そして、今見た2人の映像記憶を分析した。

女性の方が落ち着いていて、そして自然体。
男性は、明らかに緊張していて、カッチコチ。
そもそも、女性と会話した経験が【激少】の方のような、そんな雰囲気をかもし出している。

明らかに、女性の方が積極的だった。
男性がリラックスできるようにと、気を使っている。
このデートを、楽しいものにしようという『想い』も感じる。

その、女性の努力に、男性は甘えすぎているような、僕は、そんな妄想まで浮かべた。


そして、

・・・そしてだ。

「凄い~! 窓がすごくキレイだと思わない~!?」
「表も裏も、あんなにキレイにするのって大変だと思うよ~!」
「外がクッキリ見える~!!」

という、ゆかりちゃんのセリフも思い出す。

声のトーン。ボリューム。イントネーションや間。

あのセリフは、わざとらしかった。
棒読みだったし。ボリュームが、不自然に大きかった。

仮に、ゆかりちゃんが女優なら役者失格だ。
ダイコン役者だ。

それに脚本も、なっちゃいない。

なぜなら、大抵のお店の窓はキレイなハズだ。
驚くのは、逆に、汚いときじゃないか。

とにもかくにも、ゆかりちゃんは、
僕を【振り返りやすくするために】、脚本&主演の、ひとり芝居をしてくれたのだ。

そして、見事なダイコン役者っぷりで、僕を笑わしてくれた。


もうお分かりだろう。

ゆかりちゃんの天然ボケは、最高に面白いのだ。

「凄い~! 窓がすごくキレイだと思わない~!?」

ちょうどいい、棒読みっぷりだった・・・。

ああ、癒される~~~。


僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。

 

 

 

言葉ではなく、カオと動きで名キャッチコピーをパクる

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◆バーボンウイスキー

時計の針は、もうすぐ21時を指そうとしている。

僕は、ダイニングテーブルで、フォアローゼス-ブラックを飲んでいる。
フォアローゼス-ブラックは、普通のフォアローゼスの、ワンランク上のバーボンウイスキーだ。
樽で寝かした年月が、ノーマルのそれより2~3年長い。

僕は、しみじみ思う。

「やっぱり、ブラックは旨い」と。

不思議なのは、もっと高級な『フォアローゼス-プラチナ』になると、僕には合わなかったことだ。
何度かプラチナを飲むも、結局僕は、このフォアローゼス-ブラックばかりを飲む。

20代から30代のころのことだ。

ロックで飲むのが好きだったが、53歳の今の僕には『水割り』の方が旨い。めっきり、酒が弱くなった。

 

昔、渋い中年のバーテンダーに、

「バーボンは、ストレートかロックで楽しむものだ」

と、教わった。

それが、ロックで飲むキッカケだった。

「えっ、甘い…」(23~24歳の若きじょーじ)

「そうだろぉ~」(渋い中年バーテンダー

って会話があったなぁ。

 

◆ゆかりちゃんはソファーで微睡む(まどろむ)

ゆかりちゃんは、リビングのソファーに座ってTVを観ている。

ちょっと前に、ゆかりちゃんが微睡み(まどろみ)はじめたことに、僕は気づいていた。

(バレたか?)と思ったのか、それとも(バレるまえに)と思ったのか、
ゆかりちゃんが、少し大きめの声で言った。

「眠いの~。・・・寝ても寝ても、それでも眠いの、どうしてなんだろ~?」

僕は、あえてその問いには答えずに、「お風呂、先に入ったら?」と、提案した。

「うん、そうだね」
「・・・ん? 」
「スルーした? 」
「わたし今、何って言った?」

「ああ、『眠い~』って」
『なんでだろう?』って言ってた~」
「かれこれ、一緒に暮らすようになって丸5年すぎたけど~」
「さっきのセリフは、もう何十回って聞いているよ~」
「もう、日常~」

「きゃはははは~!」

ゆかりちゃんは、弾けるように笑った。
こういうところが、ゆかりちゃんのカワイイところなのだ。

「春のはじめは『花粉症の時期は眠い』と言って」
「春の後半は『春眠、暁を覚えず』って言って」
「夏は『夏バテだから』
「秋は『秋だから』とか」
「冬は『最近寒いから』と」
「年中、『眠い』って言ってるよ~」

「あはははは~~~!」

「夜の9時ごろは1時間くらいの仮眠、というのも、もうルーティンやん」

 

◆ゆかりちゃん、名キャッチコピーをパクる

「あははは・・・」
「ん⁉」
「・・・はっ ‼」

ゆかりちゃんは言葉ではなく、カオで、「そうだ!」と語った。

ゆかりちゃん自身は自覚ないのだろうが、ゆかりちゃんのカオ芸は、お笑い芸人の域に達している。

突然立ち上がり動き出す。

ソファーに置いてあるクッションを、2つ重ねる。
ソファーの端にセットする。
そして「ポンポン」と、2度、叩く。

どう考えても、マクラにする気満々の行為。

そして、案の定、横になったのだ。

ゆかりちゃんは、(そうだ 仮眠、しよう)と思いついたのだ。

 
その瞬間、僕には、JR東海のTVコマーシャルが浮かんだ。
あの名キャッチコピー、そうだ 京都、行こうが、見事に重なった。

ゆかりちゃんは、ひと言も発していない。

ひと言も発することなく、そのカオと動きとで、名キャッチコピーをパクったのだ。「そうだ 仮眠、しよう」

僕は、フォアローゼス-ブラックを、危うく吹き出しそうになった。


僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。

 

 

 

 

 

 

Official髭男dismが「カンパ~イ!」って何? 男性から1番好かれる女性が判明した?

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◆ヒゲダン

2019年11月15日の日記から。

Official髭男dismが紅白出場!というニュースを観た。
それを、帰宅したゆかりちゃんに教えてあげた。

「ヒゲダンが、初の紅白出場だって~」

「あ~~~っ!」
「ええっ~?」
「あの、『カンパ~~~イ!』がぁ~⁈」

と、のたまう、ゆかりちゃん。

 

◆解説

「それは、お笑い芸人の、髭男爵やでぇ~」

「ああっ! そ~っかあ~!」
てへぺろ~~」


「あと、髭男爵なら髭男爵で、間違っているんだけどねぇ~」

「ん~?」


「『かんぱ~い!』ちゃうでぇ~、『ルネッサァ~~~ンス!』やでぇ~」

「ハハハハハ~!、そう~やわ~~~!」

 

◆断捨離

で、今日、2020年5月6日の、ゆかりちゃんの言い間違い。

この連休で、断捨離を頑張ったゆかりちゃん。
本棚の、不要な問題集や参考書の一角が、めっちゃスッキリした。

「スッキリしたね~」

「必要な物、全部捨てたの~~~!」


「・・・」

「凄いやら~!」(ドヤ顔)


たぶん、「必要な物以外、全部捨てたの~~~!」と、言いたかったハズだ。(必要な物は、捨てたらアカン)

 

◆ひろみちゃん

僕が、「天然やなぁ~」というと、ゆかりちゃんは本気で怒る。
心外だという顔をする。


「わたしは、天然じゃないよ!」
「天然は、ひろみちゃんやて!」
「ひろみちゃんは『ちょっとキャベツに電話してくる』って言うんやて!」

と、毎回、同じことを言って反論する。

引っ張り出された、ひろみちゃんも、たまったもんじゃない。
たまったもんじゃないだろうが、『キャベツに電話』は、何度聞いても笑ってしまう。

ゆかりちゃんは、どうやら、

「わたしは、ひろみちゃんよりは、天然ではない」
「わたしのドジや間違いは、大して面白いものではない」
「ひろみちゃんは天然」
「わたしは、ギリ普通」

と、言いたいみたいだ。

 

◆天然な女性

男性から1番好かれる女性は?

美人か?
可愛らしさか?
スタイルの良さか?
性格の良さか?
やさしさか?
賢さか?

僕は、天然だと思う。

僕は、ゆかりちゃんの天然を、愛しく思っている。
平ったくいうと、可愛いと思っている。

ゆかりちゃんは、バカにされたと思うことがあるようだが、決してそんなことはない。

笑わしてくれて、雰囲気も明るくなって、周りの人すべてが、少し、いや、かなり幸せになる。

だから、素晴らしい才能だと思う。

きっと、多くの男性が「天然が最高!」と、同意してくれているハズだ。

結婚して幸せになりたい男性の、人気ナンバー1は、【天然な女性】で、間違いない。

 

◆〆

未婚の男性に、もう1つ、大事なことを教えたい。

女性とは、
「お金を使うことが得意なタイプ」と、
「お金を貯める(増やす)ことが得意なタイプ」の、2種類に分かれる。

天然 ✕ 貯める 、という女性は、ダイヤモンドの草鞋を履いてでも探せ!と、リトルじょーじが、格言っぽく叫んでいる。

そう。
ゆかりちゃんは、貯める(増やす)ことが得意なタイプなのだ。

僕は、そんな、天然なゆかりちゃんが大好きなのだ。